別居中だったオノ・ヨーコも見に来たジョン・レノン生涯最後のライヴ
やがて周りの声に説得されたジョンが、この曲をシングルでリリースすることになった。そして発売から1ヶ月が過ぎた11月16日、ビルボード・チャートで『真夜中を突っ走れ』が1位を記録したのである。
ジョンに「約束、覚えてる?」という電話がかかってきた。もちろん、その声はエルトンだった。
11月28日、マジソン・スクエア・ガーデンで開かれていたライヴの後半、エルトンの紹介でジョン・レノンが登場した。会場からは割れんばかりの歓声が湧き上がり、しばらくは観客の興奮が収まらなかった。
飛び入りで参加したジョンは、エルトンと2人でまず『真夜中を突っ走れ』を披露した。続いてエルトンがカバーしていたビートルズの『ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンド(Lucy in the Sky with Diamonds)』と、『アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア(I Saw Her Standing There)』の3曲を演奏して、ステージを後にした。
その夜、会場にはジョンと別居中だったオノ・ヨーコが観に来ていた。コンサート終了後の楽屋で再会した二人は、長かった“失われた週末”に終止符を打ち、夫婦としての関係を修復していくことになる。
しかし、まさかこれがジョン・レノンの生涯における最後のライヴとなるとは、その時は誰一人として思ってもみなかった。
文/佐藤剛 編集/TAP the POP














