「共通認識」の崩壊で変わる、モノマネの楽しみ方

──その理由をどう分析されていますか?

僕的には「多くの人がテレビを見なくなったこと」がいちばん大きいと思います。

昔はほとんどの人が同じ番組を見ていて、同じタレント、同じCMソングを聴いていて、「共通認識」がたくさんあった。だから芸能人のモノマネは刺さりやすかったし、パロディ番組も成立していたんです。

でも今は「最近出てきた誰々」と言っても、ほとんどの人が知らない。だからモノマネ番組も過去のネタばっかりになる。みんなが「共通で知ってる曲」「共通で知ってる芸能人」が減ったことで、新しいモノマネが刺さらなくなっているんですよね。

「今年の紅白歌合戦の出演者で世代問わず誰もが知るアーティストって何組いますか?」と語るエハラ氏
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──歌マネにも、同じ流れを感じます。

そうなんですよ。音楽番組をみんなが見ていた時代は、年間トップ10は誰でも知っていた。でも今は「最新曲を1曲も知らない」なんて普通にあります。だからモノマネ番組でも新しい曲が出せなくて、結果、何年もラインナップが変わらないんです。

──ちなみに、エハラさんはどういうときに「この人のモノマネをやろう!」となるんですか?

僕は「この人のこの部分、ちょっと腹立つな」というところを見つけた瞬間ですね。いい意味での「腹立つ」というか。真剣に聴いたら感動するのに、一歩引いて聴くと「何その歌い方?」って思える人が好きなんですよ。

僕のレパートリーで言えば、矢野顕子さんもそうだし、MOROHAもそうだし、SOUL’d OUTもそう。真剣に聴くとすごいし、感動する。でも一歩引いて聴いたり、軽く聴いている人からするとオリジナリティーが強すぎてちょっと面白い。そのバランスが僕は大好きなんです。

──今気になっているモノマネ芸人はいますか?

モノマネ芸人ではないんですけど、現役高校生の頃からSNSで話題だったウォルターズさんですね。有名声優の声を1人で全部演じ分けている動画をSNSで発信しているんですが、もうとにかく声の幅がすごい。それに演技力もある。声が似ているだけじゃなく、「お客さんに届ける力」がめちゃくちゃ飛び抜けていると思います。