舌が喜ぶものを食べよう
つねづね思う。食事に無頓着な人が多すぎる。ここで言う食事とは、美食やグルメのことではない。活力をみなぎらせ、体力を回復する栄養源としての食事である。
仕事が忙しい。安く済ませたい。だから昼は牛丼やカップ麵、夜はコンビニのパスタや菓子パンをお腹に詰め込む。そんなその場しのぎの食生活はいただけない。
自動車に粗悪な燃料を入れて走らせるようなものだ。燃費は悪いし、エンジンの寿命も縮む。人間の体も同じだ。安くて手っ取り早い食べ物はたいてい糖質まみれだ。タンパク質も食物繊維も少なく、ビタミンやミネラルも申し訳程度である。それで仕事のパフォーマンスが上がるはずもない。あなたは大丈夫だろうか。ちゃんとしたものを食べているだろうか。
「わかってるよ。バランスのいい食事でしょ」
そのとおりだ。ではそれは一体どんな食事だろう?栄養アドバイザーの多くは「1日30品目食べましょう」と呪文のごとく繰り返す。くだらないアドバイスだ。余計なお世話である。そんなノルマを課されたら、楽しいはずの食事が単なる義務と化してしまう。
ことさら栄養バランスを意識する必要なんてない。理想的な食事は「本当に美味しいものを好きなだけ食べること」だ。僕はそう考えている。
それだとますます栄養が偏る?大丈夫。人間の体はバカじゃない。脂っこいものや甘いものを連日食べていれば、おのずとサッパリしたものを欲ほっするようになる。
あなたも毎日、肉料理ばかり食べていたら嫌気がさすはずだ。これ以上はキツい。自分の体がそう教えてくれるのである。
バランスの取れた食生活を送るうえで肝心なのは品目を思案することではない。自分の体に敏感になることだ。体の声に従うことだ。すると、自然に最適な栄養バランスが保たれるのである。













