私たちは検索上位のサイトしか見ない

情報オーバーロード環境※1において適応的なのは、大量の情報を「効率的に」選別することで、ユーザーの認知負荷を軽減するようなアルゴリズムのあり方である。

プラットフォームのアルゴリズムは、ほぼすべてがそのような「選別」を行うためのしくみだといっても過言ではない。それは、検索エンジンのランキング・アルゴリズムも、ECサイトやグルメ情報サイトのレビュースコアも同様である。

たとえば検索エンジンのランキング・アルゴリズムは、膨大なウェブページの中からそのキーワードというパラメーターに応じて、もっとも関連性スコアの高いウェブページから順位づけをして表示することで、ユーザーの認知負荷を軽減している。

もし検索エンジンがランキングをつけてくれなければ、ユーザーはキーワードがマッチした大量のウェブページを全部確認しなければならないことになってしまう。

写真はイメージです 写真/Shutterstock
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逆にいえば、ユーザーは多くの場合、ランキングの上位から順番に(ときには1位だけ)ウェブページを確認していけば必要な情報が手に入る確率が高い(あくまで確率が高い、ということで確実ではない)。

実際、検索結果の1位のCTR(クリック率)は非常に高い一方で、2位、3位と順位が下がるに従いCTRはどんどん下がり、2ページ目の11位以降までみる人はほとんどいないという。

つまり、アルゴリズムによって序列化された検索順位が高いということ自体が、そのページにアテンションを向ける理由になるということだ。逆に、アルゴリズムが検索順位を低く判定すれば、そのページはアテンションを向ける対象にならず、(たとえ重要な情報が含まれていたとしても)無視されてしまう。