45歳の秋に訪れた、薄毛の不安

先日、久しぶりに50代の先輩女性と食事をしたときのこと。帰り際、エスカレーターを一緒に降りたとき彼女の頭部に、失礼ながら釘付けになってしまいました。ツヤツヤと輝く豊かな毛量を誇っていた彼女の髪は、以前よりも明らかに細くなっており、分け目の幅が広がって頭皮が透けて見えていたのです。

私自身、40代になってからはさまざまな髪のトラブルに直面していましたが、薄毛はまったくの盲点でした。

そういえば最近、風呂場の排水溝に溜まる毛の量が多くなってきた気がするし、床やドライヤー中の抜け毛も増えている気が。しかも風呂上がりに鏡に映る濡れ髪の頭皮、よく見たら心許ないのでは……??

写真はイメージです 写真/Shutterstock
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それからというもの、薄毛の不安に頭の中を占領された私は、電車の中、名刺交換や仕事のインタビュー中など、人様の頭皮から目が離せなくなってしまうことに。

「女性も薄毛になる」というぼんやりとしていた一般情報が、くっきりとした輪郭をもってリアルに眼前に迫ってきたのです。そんな今、一番必要なのは「頭皮が透けてきているかどうか」をジャッジしてくれる客観的な視点。

女友達にはぜひ、遠慮せずにありのままの事実を伝えてほしい。とはいえ、先輩に何も言えなかった私のように、薄毛というセンシティブな事実を伝えてくれる友人はどれほどいるのでしょう。

ましてパートナーから無遠慮に「最近、頭皮やばくない?」なんて言われようものなら、頭に血がのぼる姿も容易に想像できます。そもそも容姿に対して他人がネガティブな指摘をするなんてもってのほか。今は、容姿に関する指摘や話題が何かと難しい時代です。

第三者から自然に指摘されることは難しいかもしれない……。意を決して信頼できる友人に聞いてみたところ、「30代の頃と比べたら、分け目に透け感があると思う」と率直に教えてくれました。

実はその友人も40歳を超えてから髪が細くなってきたことに悩んでおり、定期的にヘッドスパでメンテナンスをしたり、スカルプシャンプーを使ってケアしているとのこと。ボリュームのなさを隠すために髪をまとめるヘアスタイルにすることが多くなったとも語ってくれました。

他にも周囲の女性たちに話を聞いてみると、サプリを飲んでいる人や、薄毛が気になる生え際や頭頂部にアートメイクをしている人も。あえて話題にあげていなかっただけで、薄毛や抜け毛に悩んでいる女性は驚くほど多かったのです。