4年半にわたる猛アタックで、元カレと復縁婚
そんな原口さんは今年7月、5回目の結婚を果たした。お相手はいったいどんな方なのか。
「これまた心理学を学ぶ講座で出会った方なんですが、実は10年以上前に交際していた元カレなんです」
5回目のお相手は、3回目の離婚と4回目の結婚の間の独身時代に交際していた元カレだというが、どのように復縁に至ったのか。
「交際時は私が彼を好きすぎて、彼のちょっとした言動に一喜一憂してしまい、上手くいかなかった。でも4回目の離婚の後に、思い切って連絡してみたら、返事が返ってきたんです」
そこからはあまりラリーが続かなかったが、4年半にわたり、一方通行でアプローチを続けた結果、「あるとき、こちらを向いてくれたんです」という。
いったい、彼のどんなところに惹かれたのだろうか。単刀直入に聞いてみたところ、
「一番は顔ですね。顔がかっこいいところ」
と、はにかみつつも即答してくれた。
「人柄は全く惹かれてないです。彼はすごい古風で保守的な考え方の持ち主なので、私とは合わないですが、二人とも、若いころに家庭で苦労した背景は似ているところがありますね。でも嫌な面が見えても、顔がかっこよければ許せますよ」
さらに、4回の離婚経験と、数々の離婚劇を見守ってきた弁護士経験の中で、学んだ部分も大きかった。
「『どうしてもこの人と一緒にいたい』という気持ちがないと、夫婦の難局を乗り越えられないんだなってことをだんだん悟ってきたんです。私もそうだったし、離婚する夫婦を見ても分かりました」
「すごい好き」じゃないと、難局を乗り越えられない―。では5番目の夫は、4人の元夫たちと比べても一番好きといえるのか。
「顔はドストライクで好きです。逆に今までは受け身すぎて、ドストライクじゃなかったから嫌なところが見えるとすぐ別れてしまったんだと思いますね」
そんなこんなで50歳にして5回目の結婚を果たした原口さん。改めて、結婚生活を継続するうえで大事なことを聞いてみた。
「私の場合、『自分がこうしたい』という意見がないことが一番の問題でした。だからこそ、自分の求めるものをひたすら明確化した。私自身、生まれ育った家庭がぐちゃぐちゃだったので、家族への憧れは強かったんです。
彼とは、『家族を大事にしたい』という思いは一緒だったので、彼とならやっていけると思いました」
過去の失敗も、向き合えば未来を照らす光になる――そう教えてくれたのは、5回目の結婚で本当の幸せを見つけた原口さんの人生そのものだった。心からの“大好き”にたどり着いた原口さんの末永い幸せを祈りたい。
#4「夫の浮気、モラハラ、ワンオペ、そして現在は…時代とともに変遷を遂げる離婚理由」へつづく
取材・文/木下未希 集英社オンライン編集部特集班