月に1回は台湾と日本を行ったり来たりの生活
『秘技伝授』は成人ビデオメーカーが売り出したシリーズで、加藤鷹氏のゴールドフィンガーたる「指のテクニック」を伝授するための性教育に近いビデオであった。
国内ではビデオだけでなく書籍としても発売され、それらは主にアジアで海賊版が広がり、加藤鷹は「Jiāténg Yīng(ジャー・タンイン)」、ゴールドフィンガーは「金手指(ジンヨウジー)」という名前で認知されている。
「日本では避妊具のテレビCMなんてあり得ないけど、香港だけでなく海外では夜22時以降などは流れるんですよね。
『Durex』っていうイギリス生まれの世界的に有名なコンドームのCMの香港版の契約を結んだこともあるんですけど、それはコンビニの商品パッケージや地下鉄とかバスにも俺の顔つきで宣伝されてるから男性だけでなく女性も『ジャー・タンイン』と『ジンヨウジー』は知れ渡ってるんですよ」
現在、インバウンド客で溢れる東京都内において、鷹氏は日本人よりアジア圏の方から声をかけられることが多いという。
「先日、長女とその彼氏の3人でドンキに行ったら、台湾のワンフー(ファン)が『ジャー・タンイン!』って声かけてきて、娘が『撮りましょうか』って写真撮ってくれましたよ(笑)」
また、もともと台湾ではアダルト規制があったが、コロナ禍で緩和された。それまで最もよく見られている成人動画は日本のセクシー女優の作品だったが、2019年に台湾発のセクシービデオ業界が誕生したのだ。
「『SWAG』は成人向けのライブチャットとして始まりましたが、オリジナルコンテンツとして動画を制作し、現在は会員数が台湾の人口約2300万人の約半分とも言える1200万人を超え、総PV数も2億以上です。
その『SWAG』からも過去にアンバサダー兼プロデューサーに任命されました。今では台湾で最も大きな成人玩具メーカーの『Dr.情趣(チンチュウ)』のCTO(最高技術責任者的な立場)という役職を任されています。それもあって、今では月に1回は台湾と日本を行ったり来たりの生活ですね」
鷹氏が台湾でそんな地位を得ていたとは驚きである。さらに香港で有名な俳優や司会者のチャップマン・トーとの映画共演も果たしている。
「2014年の香港映画で『大性豪』という作品です。その後、チャップマン氏は2020年に台湾に移住してますけど、今もテレビやイベントなどでご一緒させてもらっています。
日本での仕事も現時点でなくはないけど、台湾の方が、俺の可能性が広がるなって思ったんですよね。それもあって、早くて来年頃には台湾に移住したいなあと考えています」