参政党の議席が伸びた要因は、経済政策の失敗による「集団的不安」
前川 参政党のような政党が伸びた背景には、集団的な不安があると思います。
日本が経済大国だと言われていた頃は皆、あまりそんなところに飛びつこうとは思わなかった。でも世界の中での日本の経済的地位がどんどん後退していき、GDPで中国にもドイツにも抜かれ、まもなくインドやインドネシアにも抜かれる、と。1人当たりGDPでは韓国や台湾より少なくて、経済的に衰退しています。
でもこれは経済政策の失敗によるところが大きい。小泉構造改革やアベノミクスのなれの果てです。この約30年間の日本の経済・財政・金融政策の失敗をちゃんと検証し「他の国に比べて日本国民がこれだけ貧しくなったのは、このせいじゃないか」というのを、経済や財政の学者たちが実証的・科学的に解明すべきです。でも、それがされていない。
そして、経済財政政策の失敗による不満や不安というものが日本に充満していて、トランプのアメリカじゃないですが、「メイク・ジャパン・グレート・アゲイン」みたいに「今は苦しいかもしれないけど、もともと日本は立派な国なんだ」と、ことさら強調する考えに惹かれてしまう。
日本という国に自分のアイデンティティを埋没させ、日本人であるということを自分の支えにする。その上で「日本は立派な国なんだ」「これまで悪いことなどしなかったんだ」という気持ちにさせてくれるのが、いわゆる歴史修正主義です。ただ「歴史修正主義」というと「間違っている歴史を正しくする」ように聞こえますが、そうではなく根拠のないことを言っているのだから、「歴史改ざん主義」とか「歴史歪曲主義」とか「歴史捏造主義」と呼ぶべきでしょう。
今回、参政党で新しく当選した初鹿野裕樹(はじかの ひろき)参議院議員は、「南京大虐殺が本当にあったと信じている人がまだいるのかと思うと残念でならない」とXに投稿しています。
参政党は全体がそうなんですが、初鹿野議員は「日本軍は『焼くな、犯すな、殺すな』の三戒を遵守した世界一紳士な軍隊である」と投稿し、「日本は悪いことなどしなかったんだ」と主張しています。
こういうことを言う人たちは以前からいましたが、そういう人たちだけで作った政党が参政党です。私は、安倍晋三さんが亡くなった反動で出てきたのかもしれないという気がします。安倍さんがいる間は、自民党の中で、安倍さんという求心力の中にそういう人たちがくっついていたけれど、安倍さんがいなくなったので、より過激な形で別の党として現れたのかな、と。
おそらく背景にはそういった「皇国史観」を広げたいと思っている勢力がいるんじゃないか、と。それをバックアップしたいと思っている経済人もいますから、そういう人たちが参政党の選挙運動にお金を出しているのか、と。相当お金がないとあれだけのキャンペーンはできません。あれだけの数の候補者も立てているし、3年ぐらい前からあちこちにポスターを貼ったり、いろんなSNSでの発信をしたりしていましたし。あれは代表の神谷宗幣氏だけでできることじゃない。相当資金力がある組織があると見ています。
構成/稲垣收














