「睡眠中」に脳は何をしているのか
偏った使い方をした脳のバランスを整え、疲れを癒やすためには、必ずしも眠らなくていい。バランスの良い使い方をするために、覚醒中に「正しい刺激」を与えればいいのだ。
それでも「いや、脳は疲れるし、しっかり眠らないと、脳の老廃物を除去できない」と心配になる人もいるだろう。では、睡眠中に何が起きているのか、「老廃物の除去」はどのように行われているか見ていこう。
睡眠への関心が高まっている今、睡眠中は「レム睡眠とノンレム睡眠が繰り返される」と知っている人も多いと思う。従ってここでは簡単に確認することにとどめる。
レム睡眠とはごく浅い眠りで、眼球がぴくぴく動く「急速眼球運動睡眠(Rapid Eye Movement sleep=REM)」からこの名前がついた。レム睡眠中の脳波は覚醒時と変わらないことから、逆説睡眠(paradoxical sleep)とも呼ばれる。「寝ているけど、寝ていないみたいな脳波だ」という意味だ。
ノンレム睡眠とは、文字通り「レムじゃない睡眠」だが、ノンレム睡眠でも特に深い睡眠を「徐波睡眠(slow-wave sleep)」と呼ぶ。脳波が非常にゆっくりと大きいことから、この名前がついた。