「他人事」では読まれない

最初にZ世代に話を聞いた際、ニュースに興味がない理由として挙がっていたのが「自分には関係がないから」「人生にどう関わってくるのか分からないから」だった。つまり、「ニュースを他人事としか思えないから、見ない、読まない」と言い換えることができる。

共感とは、他人が経験したことを、まるで自分が経験したことであるかのように、あるいは自分の家族など近しい人が経験したことであるかのように感じられることである。であるなら、他人事ではなく、最近よく聞く言い回しの「自分事」の記事にできれば、もっとよく読まれるようになるのではないか。

この仮説、というか思いつきをもう少し掘り下げて考えてみた。

誰かが経験した出来事について読者に共感してもらうためには、それを追体験してもらえればいい。そのためには、登場人物がその出来事に行き着くまでの経緯をできるだけ詳しく、情景描写や気持ちを入れながら、しかも可能な限り分かりやすく、「読む」ストレスを感じさせることのないように書けばいい。

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そしてその経緯を分かりやすくするには、時制を行ったり来たりさせることなく、できるだけ過去から現在へという流れで、つまり時系列で書いていけばいい。時系列で書いていくうちに、その記事の主要テーマにたどり着く。そこまでの展開は、分析時に分類した5要素のうちの一つ「ストーリー性」を意識すればいいのではないか。