「わざわざそこまで」を話す

商材が保険だとしましょう。利点は次のようなものです。

・皆さん万が一に備えて保険を考えています。
・何かあった時に、まとまった補償が得られたら安心だからと言っていました。
・社長ならどうですか? 何かあった時にまとまった補償が得られる保険があったなら?

「私も、それなら安心するだろうね」とヒアリングでお客さまの「問題と願望」が引き出せました。ここで注目すべきは、「社長」が得たい利益は「保険」ではなく「安心」だという点です。

ですからプレゼンでは、事細かに保険の補償内容を伝えるのではなく、次のように話します。

「うちの保険は万が一の時も、1000万円の補償が受け取れます。社長も万が一の時のことが心配ですよね。だから、社長も安心できますよ」

写真はイメージです(PhotoAC)
写真はイメージです(PhotoAC)

この感覚は、できる営業さんほどピンとこないかもしれません。

そもそもその補償内容は、保険のパンフレットに書いてあります。ですからセールスポイントにも、掛け金に応じた補償額まで具体的に示してある。それにもかかわらず否決されて来た。「何が違うのか?」と思ってしまうのです。

理由は先に述べました。人を動かすのは理屈ではなく「感じること」だからです。そして「社長」が得たい利益は「安心」です。

けれども多くの営業さんは、セールスポイントばかりを事細かに話して終わってしまい、肝心のベネフィット=利点については「もう、分かっているだろう」と省略してしまうのです。

「お世辞を言わない」「大げさに言わない」「皆まで言わない」。そうしたストッパーを自らかけている営業さんは結構います。営業のスタイルは、あくまでそれぞれの感覚です。

ただ1つ言えることは、効果本位で考えたら、「わざわざそこまで言わないとダメ」なのです。