できる営業マンがやっている「利点話法」とは? パンフレットにない価値を届ける“わざわざそこまで話す”プレゼンの極意
TikTokで大人気の「営業の乾」こと乾哲也氏が提唱する「購買意欲」の概念を取り入れた「即決メソッド」は約300社以上の企業研修に導入され、高い評価を得ている。そんな彼が教える「できる営業マン」にとっての極意とは。
『できる営業マンのすごい言語化 「なんとなく」を納得に変える』(KADOKAWA)より、一部抜粋、再構成してお届けする。
『できる営業マンのすごい言語化』#2
コモディティ化に負けない価値を見つける
営業担当者がプロであるがゆえに、その商材の専門家になってしまうということはどこでも起こり得ます。
不動産であれば、「この物件、駅チカでお勧めです」で終わってしまうのではなく、「お客さまの勤務先に直結の路線にすぐ乗れます。だから、お客さまも通勤が楽ですよ」までが利点話法です。
結婚相談所であれば、「うちは会員登録数が業界最高レベルです」とパンフレット通りのアピールで終わってしまうのではなく、利点話法で「出会いもたくさん可能です。だから、お客さまの理想の相手に会えますよ」までを言い切りましょう。皆まで言い切るのです。
写真はイメージです(PhotoAC)
すべての画像を見る
これは圧倒的に強いわけではない商材で考えると理解が進みます。
変化の早い現代では、どんなに新しく感じた特徴や性質を持つ商材でも、半年、1年後には、ほとんどがコモディティ化して横並びの1つになってしまいます。その時にセールスポイントでは勝負になりません。
けれども利点話法で「○○さんにとって」「○○さんには」とお客さまにとっての自分ごと化をすれば、「購買意欲」が高まり、ヒアリングで引き出した「興味」は、プレゼンで確実に「欲求」になるのです。
パンフレットに書かれていないことを話すことは、最初は難しいとは思います。コツを2つご紹介します。トークスクリプトを作る際に、ぜひ試してください。
◯顧客目線で考える
その道のプロとして「こうあって欲しい」ではなく、「この人だったら」を常に考える。そのためにはヒアリングの際の雑談が大切です。
◯常に「だから何」で考える
セールスポイントに書かれた特徴や性質に「だから何?」を問う。やがてお客さまとこの商材の「○○だから○○になる」が見えて来ます。それを言語化すれば良いのです。
文/乾 哲也
『できる営業マンのすごい言語化 「なんとなく」を納得に変える』(KADOKAWA)
乾 哲也 (著)
2025/8/20
1,760円(税込)
224ページ
ISBN: 978-4046077165
今日売るには、なぜ言語化が必要なのか
------------------------------------------------------
フルコミッション一筋21年、成約率90%のトップセールスマンが伝授!
営業職のためのすごい言語化!!
------------------------------------------------------
多くの営業組織では、成果に再現性がなく、数字が安定しないという問題があります。
これは、営業を経験値や力量などのやり方=暗黙知に頼っているため、
部下の育成にもつながらず、組織としての成長が止まっているのです。
個人レベルでも「感覚」で営業しているため、なぜ成果が出たのかがわからず、改善できません。
そのため毎年同じ数字しか出せず、成長も意欲も失われていきます。
組織としても精神論に頼るだけで、具体的なノウハウやトークの共有がされず、弱体化します。
結果として、売れない人は辞め、売れる人の入社を待つだけの高コスト体質になってしまうのです。
つまり、こうした問題の背景には「暗黙知」を言語化できていないという根本的な課題があります。
本書では、個人の「暗黙知」に頼らずに、
成果を再現できるような“すごい言語化”によるトークスクリプトを紹介していきます。