パンフレットにはない「お客さまにとっての価値」

プレゼンで伝えないといけないもの。それは何だと思いますか?

営業の教科書的に言えば「モノやサービスのセールスポイントを分かりやすく伝えること」だと理解されている方が多いと思います。

では「セールスポイント」とは何でしょうか? 

否決になってしまうプレゼンを見ると、そのモノやサービスならではの強みや魅力、特徴、性質、他社より優れた点などがくわしく述べられています。

これは正解です。けれどもプレゼンで伝えなければいけないものの半分です。後の半分は何か? 

それは「ベネフィット」です。ベネフィットとは、お客さまにとっての「利点」です。ベネフィット=利点と理解してください。

セールスポイントのような特徴について話すのではなく、ベネフィット=利点について話すプレゼンの技術を「利点話法」と呼びます。

写真はイメージです(PhotoAC)
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利点話法では、まずセールスポイントとベネフィットを分けます。

セールスポイントは、商材の特徴や性質でしたね。これは書きやすいのです。なぜならパンフレットにすべて書かれているので、それを参考にすれば作れます。

けれども利点はパンフレットには書かれていません。なぜなら、今、あなたがプレゼン段階でお客さまに示そうとしている価値は、前段のヒアリングであなた自身がお客さまから引き出した「問題と願望」を根拠にしたものだからです。

写真はイメージです(PhotoAC)
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・セールスポイント
…… パンフレットや資料にも書かれている商材の特徴や性質。また他社と比べての優位点。
・ベネフィット …… ヒアリングで引き出したお客さまの「問題と願望」に対して、商材から得られる利益を利点として言語化したもの。

利点は、パンフレットには書かれていないので、お客さまのためにトークとして話さないと伝わりません。そしてこの言語化された言葉のみが、感情を動かし、「購買意欲」を高めることができるのです。