党関係者「金も人もいないから立候補者のサポートには限界がある」

この姿勢を記者席から批判したのが東京新聞の望月衣塑子記者だ。

「日経、朝日への攻撃。大変衝撃でした」と切り出した望月氏は石丸氏が安芸高田市長時代から同じ手法を繰り返してきたと指摘。

「かつてはうまくいったかもしれないが都議選、参議院選の結果はどうか。こういうやり方でメディアを攻撃することは石丸さんの信頼や評価を貶めてしまうんじゃないかと心配しています」と疑問を呈した。

石丸氏は記者の姿勢を質すことは「私個人のポリシーなので当然この先も不変です」と即答。

「大変申し訳ないんですけども、どの口がおっしゃるんだろうなと。望月さんが言われてるそのものを私はオウム返しをしているに過ぎないんですが。ダブルスタンダードってこのことじゃないですか。自分がやるのは批判だけど相手がやると攻撃だとおっしゃる」と反論し、2人のやりとりは10分強続いた。

8月27日、記者会見で話す石丸伸二氏(撮影/集英社オンライン)
8月27日、記者会見で話す石丸伸二氏(撮影/集英社オンライン)
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党代表を退くことは「選挙の責任を取る、取らないの話じゃない」と言い続けた石丸氏は、「自分個人としてできる限りはやったと、やるべきことは果たしたという思いです」と“円満卒業”を強調する。

だが残される党組織は穏やかではない。昨年の都知事選で約3億円の献金を集めたと主張する石丸氏は党のほとんど唯一最大の金看板といえる。その石丸氏なしに活動資金の調達はどうなるのか。

党関係者は、

「まあお金がないよね。石丸さんの理想を実現するためには議席獲得は必要だったけど、石丸さんが集めたお金だけでは議席は獲得できない。党はパーティーもやらないし政党助成金もない。金も人もいないから立候補者のサポートには限界がある。議席獲得はもともと難しかったと感じている党員や元党員は多いんじゃないかな」

と話す。

さらに、次の党代表が誰であろうと集める金額は石丸氏より「ゼロが一つ少なくなる」と予測し、「続投するか辞めるかは石丸さんの自由で党員がとやかく言うことではないけど、金がなくなると党の活動はできなくなるから、そこだけ何か工夫ができなかったのかなと思う」と続けた。

党は社会を再生する道を切り拓くどころか、党自身が生き残る道を探すのに追われることになるかもしれない。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班