借金300万円、休日はバレーボールをして、子どもを指導
2022年に殺人未遂で逮捕された谷本容疑者だが、1年後の2023年5月9日、今回の事件直前まで勤務した東京都内の運送会社を履歴書を持って訪れている。逮捕翌日の8月23日、運送会社社長が取材に応じた。
「谷本君は、うちが就職情報誌に出した寮付きの社員募集の広告を見て面接に来ました。態度がよかったので即採用を決めました。以前、関西の会社で10年以上働いたというので『なんで関東に来たの?』とたずねると、『昔ヤンチャしてて悪い仲間と関係を絶ちたいので東京に来た』と。更生するなら手伝ってあげたいと思い採用しました。
ただ履歴書に千葉のほうの会社を3か月で辞めたと書いてあり『上司と折り合いが悪かったので』と言ってました。犯罪歴も『逮捕とかありますか?』って聞くと『ありません』と答えました。こちらとしては信じるしかないです。犯罪歴も履歴書に書いていないし」(社長)
社長は谷本容疑者のドライバーとしての勤務態度は「めちゃくちゃまじめで、お客さんからのクレームもゼロ。後輩の面倒もよくみていた」「同僚からは『谷ヤン』『谷本さん』と呼ばれ慕われていた」と話す。
ギャンブルなどもせず目立った女性関係もナシ、休日は都内の社会人バレーボールチームに所属し、子どもたちの面倒をみる一面もあったというが、生活は安定していなかったようだ。
「彼は月30万くらいの円給料を受け取っていました。ここの寮費は3万5千円で、彼はギャンブルもしなかった。でも毎月5万円を前借りさせてほしいと言ってきたので理由を聞くと『親の療養費に使い、サラ金から300万円くらいの借金がある』」と言うんです。
それで僕の顧問弁護士の勧めで自己破産手続きを始めました。それが入社半年後から8カ月ほど後のことで、まだ自己破産はできていません。
あと今年の正月にも一度無断欠勤をしました。実家に帰ると言ってたんですが、正月休みが終わっても出てこないので電話すると『おばさんが入院している』『両親の面倒をみている』とか言いました。それから、以前10年ほど勤めた会社から『戻ってきてくれ』って言われたらしく、その気になっちゃったんでしょうね。だからいつ辞めてもおかしくないなとは思っていました」(社長)