“圧倒的方言がぶっ刺さる”恋愛名シーンBEST1は…
BEST1:主演の神木隆之介のリクエストにより実現した最終回の名シーン『らんまん』(2023年度前期)
BEST1に輝いたのは、高知を舞台に植物学者の万太郎が、臨終が近い妻・寿恵子に愛を伝える『らんまん』最終回のシーンだ。
3206種の植物を載せた図鑑がついに完成。最後のページを飾ったのは、「スエコザサ」。それを見た妻の寿恵子(浜辺美波)は「スエコザサ…。私の名前?」と涙を流して喜んだ。そんな寿恵子を万太郎が、
“愛しちゅう…愛しちゅう…”
と涙を流しながら抱きしめるシーン。
実はこのラストの「愛しちゅう…」という台詞は最初の脚本にはなかったが、神木隆之介から「最後に愛の言葉をまっすぐに相手に伝えたい」とのリクエストのもと、加えられた台詞だったという。
「高知弁での『愛しちゅう』のラストシーンは涙なくしては見られない名場面でした。この作品は戦争や震災も描きつつ、2人の最愛の娘が亡くなるシーンが“人生のどん底”として描かれており、最終回ではそんな娘を想った場面などに多く触れつつ、方言を上手く使った作品でした」
今作『あんぱん』でも、ようやく結ばれたのぶと嵩。これから始まる夫婦としての物語――きっとその歩みの中でも、我々の心に刻まれる新たな名シーンが生まれてくるはずだ。
取材・文/木下未希