このまま行けばテレビは誰も見なくなる?
若者を中心に、テレビ離れが進んでいると言われます。ある高校の先生から聞いた話ですが、「最近の生徒は、学校でテレビのことをほとんど話題にしない」のだそうです。私の周りでも、「昔に比べて見なくなった」「もうテレビはほとんど見ない」という声を聞きます。
若い人に限らず、私と同世代の人でも、そう話す人が少なくありません。中には、「そもそもテレビを持っていない」という人もいます。かつては家の真ん中にテレビがあって、食事の時間などに家族そろって見る、というイメージがあったのですが、今では様変わりしてしまったようです。
かくいう私も、以前に比べるとテレビの視聴時間は激減しました。きっかけは、インターネットにダイレクトに接続できるテレビを買ったことです。テレビをつけると、リモコンのボタン一つでインターネットにつながり、YouTubeやAmazon Prime Videoなどのネット動画を見ることができます。
3年ほど前、このタイプのテレビに買い換えてから、本当にテレビ番組を見なくなりました。視聴時間は、以前の5分の1くらいになったのではないでしょうか。
「以前テレビ局にいた私でさえ、テレビを見なくなった。このまま行けばテレビは誰も見なくなるのではないか?」
テレビの置かれた現状を考える上では、何よりも、今どれだけの人がテレビを見ているのか、昔と比べて視聴時間はどう変化しているのかを知る必要があります。そこで、まず、テレビを「リアルタイム」で見ている人がどれくらいいるのかについて、分析してみます。
総務省が毎年行っている調査に、「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」があります。この中の「テレビ(リアルタイム)の行為者率」を分析することで、国民のテレビ視聴が、どのように変化しているかを知ることができます。