「「改名くん」の巻」(ジャンプ・コミックス第170巻収録)

今回は、亀有公園前派出所に務める良識派警察官、寺井洋一(てらい・よういち)と法条正義(ほうじょう・まさよし)が、開運のためと称して両さんから半ばムリヤリ改名させれるお話をお届けする。

いくら開運のためとはいえ、人のパーソナリティーを形成する要素のひとつである姓名を、そう簡単に変えてしまってよいものだろうか。しかもその結果は……!?

ちなみに本作で登場したマシーン「改名くん」は、今年3月に葛飾区亀有に登場した施設「こち亀記念館」に設置されている……! 同施設を訪れた人は、誰でも改名ができるぞ!! ただしそれで運気が上昇するかどうかは、保証の限りではないので悪しからず。


機械に指をかざすと、改名後の名がプリントアウトされる仕組みだ

機械に指をかざすと、改名後の名がプリントアウトされる仕組みだ

なお、寺井と法条以外にも、改名をした『こち亀』キャラは存在する。

まずは、本作中でも触れられているが、署長の屯田五目須(とんだ・ごめす)。かつては「亀森鶴吉」として長らく登場していたが、姓名判断によっていつの間にか改名していた。

つぎに、白バイ警官の本田速人(ほんだ・はやと)。彼の場合は『こち亀』作中で名を変えたわけではないのだが……本作ではその名の変遷が明かされているので、お確かめいただきたい。

そして、両さんや法条が住む警察の独身寮・ニコニコ寮の管理人である女性、吉原トメ。ながらく無名キャラのまま登場を続けていたが、やがて「来たれ!ニコニコ寮!!の巻」(ジャンプ・コミックス第88巻収録)などでその名が判明した。

ところが、両さんが寮を出て超神田寿司の擬宝珠(ぎぼし)家に住み込みをしていた時期のエピソード「独身寮大マニア館の巻」(ジャンプ・コミックス第150巻収録)では、両さんのセリフ中でおばちゃんを「白浜カトリーヌ」と呼んでいるのだ。これが改名の結果なのかどうかは定かでない。

さらには、両さん達が所属する葛飾署(警視庁葛飾系猿署)もまた、名称を変更している。現実世界で葛飾署が誕生すると、作中での名称が葛飾署から新葛飾署と変更されたのだ。

「交剣知愛(こうけんちあい)…の巻」(ジャンプ・コミックス第2巻収録)より。連載最初期の「週刊少年ジャンプ」1977年3号に掲載された扉絵では、警察署名に文字が入っていない。雑誌掲載時、該当箇所にはアオリ文が乗せられていた
「交剣知愛(こうけんちあい)…の巻」(ジャンプ・コミックス第2巻収録)より。連載最初期の「週刊少年ジャンプ」1977年3号に掲載された扉絵では、警察署名に文字が入っていない。雑誌掲載時、該当箇所にはアオリ文が乗せられていた

それでは次のページから、派出所の準レギュラーキャラ2名がまとめて改名するお話をお楽しみください!!