相次ぐクマの目撃情報で、外での部活や遊びを禁止にする学校も

山形県鶴岡市在住の県立校の高校教師は「鶴岡市では毎日のように『やまがた110ネットワーク』で市内にあちこちで目撃情報が出ている。正直クマ慣れしてしまった」と話しながらも、その慣れのなかにはこんな気づきがあったようだ。

「クマの存在が日常となっている私どもの実感として『クマは人間が食べるものや人間そのものを食いに来てる』と感じる。今年9月に鶴岡市内の『主婦の店』ってスーパーの店舗内にクマが数時間立てこもって、肉や野菜や果物を食い荒らしたんですよ。その後、民家の敷地内に立てこもったところを猟友会に射殺されたんですよね。それで思いました。クマは一刻も早く害獣指定されるべきだ、と」

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
写真はイメージです(写真/Shutterstock)
すべての画像を見る

そして自身が勤務する高校ではこんな対応をしていると言う。

「今年5月の朝に初めて市内でクマが目撃された当日は、当校だけでなく近所の高校も午後は生徒を帰して、なるべく保護者に迎えに来てもらうようにしましたが、最近は目撃情報があっても通常授業をしています。

ただし目撃情報が出た日は外部(そとぶ。野球部やサッカー部など)の練習は中止。私の子どもたちが通う小学校へも帰宅時はいつでも迎えに行けるような体制を整えています」

写真はイメージです(PhotoAC)
写真はイメージです(PhotoAC)

いっぽうで、山口県山口市では10月26日に小学校からわずか100mの学区内で少なくともこの4年間で初めてクマが目撃された。市内にある小学校校長は警戒体制をかなり高めている。

「実は同じ個体のクマかはわかりませんが、今月23日夕方に同市内でクマが目撃されたので、24日金曜朝は集団登校と下校時は見守り隊により子どもたちの安全を図りました。そんななか、26日に学区内で再び目撃情報が出たので、27日は外遊びも中止。

さらに1階の扉はすべて施錠しクマが屋内に侵入した際のことも考え、児童の教室移動は1階を通らず2階を通るよう動線を組み直すなど警戒しました。今週いっぱい見守り下校を続けます」

写真はイメージです(PhotoAC)
写真はイメージです(PhotoAC)

また、10月27日に小学校の校庭でクマが目撃された福島県福島市の小学校では、翌28日はオンライン授業を取り入れた。学校長は「今まさに対応に追われ忙しい」としながらもこう取材に応じてくれた。

「学校の敷地内にクマが出たことは私が知る限り初めてのことです。市や警察や猟友会と連携を取り、27日中に『28日はオンライン授業に切り替える』と全校児童に一斉メールし、28日はオンライン授業をしました。29日からは通常登校 ですが、目撃情報が出次第、変更する可能性もあります。とにかく目撃情報により瞬時に対応を練らなければならず、引き続き警戒しています」