東洋大に除籍の要件をたずねたところ… 

いっぽう東洋大は集英社オンラインの取材に、

「除籍者に卒業証明書を交付することはございません。除籍が決裁された後、保証人様宛てに除籍通知書を郵送いたします。保証人様がご本人とどのように共有されるのかは、本学では分かりかねます」

と答えた。説明の通りなら誤って卒業証書が交付されることはなく、除籍の事実は少なくとも保証人には伝えられていたことになる。

さらに田久保氏が主張する卒業と除籍を混同する余地がないか、除籍の要件をたずねたところ、田久保氏に該当する可能性がある除籍理由は、

①学費を納入しなかった②休学期間が4年を越えた③東洋大で修学する意思がないと判断された、という3つがあることがわかった。

広報「いとう」より
広報「いとう」より

田久保氏は「6月28日に東洋大に出向き除籍の事実を確認するまで卒業していると考えていた」と主張するが、除籍理由をどう説明されたのか、明らかにすべきだろう。

また田久保氏は選挙でメディアに卒業アルバムを示している。関係者は、

「新聞社から経歴のファクトチェックとして高校と大学の卒業証書の提出を求められた田久保さんは、『夜中まで探したけど、両方とも見つからなかった』とイラつき、『もう中卒でいいです』と投げやりになっていました。

しかしのちに大学の卒業アルバムがあったということでそれの集合写真を見せていました。写真は顔の判別がしづらいので正直、本人かどうかわかりませんでしたが、とりあえずそれで確認できたことになっていました」

と証言している。♯3

除籍者が卒業アルバム持つことができるのか。この疑問に東洋大は「本学の卒業アルバムは学生団体にて制作しておりますが、卒業決定前から制作が始まり、希望者申込制になっているため、除籍になった学生が卒業アルバムを手に入れることは可能です」

と答えた。存在するはずがない卒業証書と除籍者でも買えるアルバム。田久保氏はなぜこのふたつを持っているのか――。

伊東駅(撮影/集英社オンライン)
伊東駅(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班