支援者が田久保さんの家族からわざわざ“卒業証書”を見せられた
今回わかったのは、田久保氏が百条委への提出を拒んだ卒業証書を自分のごく親しい支援者には見せていたことだ。事情に詳しいAさんが証言した。
「卒業証書は選挙のときにメディアから経歴確認で見せてほしいと求められましたが、田久保氏は『見つからない』と押し切っています。
しかし市長当選後、公報誌に載せるプロフィールを確認するため卒業証書を確認したいと秘書広報課長が頼んだときには田久保氏は応じ、現物を課長に見せています。この時点で、市議らに告発文書が送られていたことを田久保氏は察知していませんでした」(Aさん)
7月12日に開かれた百条委の初回会合ではその山下明子秘書広報課長が証人として尋問を受け、
「私から卒業証書を見せてくださいとお願いして、6月4日に見せていただいたので卒業で問題ないだろうと判断しました。ちゃんと赤い校印も押してあって、お名前と全体的なものを見た中で『平成4年3月の卒業なんですね』と。コピーを取ることは可能ですかとご相談はしたのですが、『そこまでの必要はないのではないか』と(田久保氏に言われた)」
と証言した。Aさんが続ける。
「その後、告発文書の存在が支援者から田久保さんに伝えられ、彼女は動揺しました。支援者の一人が、田久保さんの家族からわざわざ“卒業証書”を見せられたとも聞きました。無論、疑惑を否定するためです」(Aさん)
選挙中には見つからなかった卒業証書が市長就任後に現れ、学歴詐称疑惑が問題視されていなかった時期には市職員に見せられ、問題化した後は支持者を安心させる材料に使われていたことになる。
さらに告発文書の存在を知ると田久保氏は秘書広報課長らに『大学卒業』と広報誌に書かないよう求めたが、これは聞き入れられず問題のプロフィールが掲載されたと関係者は証言している。(♯3)
支持者には「事実だ」と訴えた学歴をなぜ広報誌から消そうとしたのか。これも百条委の調査対象になりそうだ。