カリフォルニアでぶいぶいいわせるフィリピン人

さらに2010年代以降は中国本土出身者が増え、「サウス・コースト・プラザ」に行けば「ニーハオ」と声をかけられます。「中国人じゃないよ」と伝えると、セールスパーソンがササァァ……と消えていってしまいます。

日系人が運営していたクリーニングなどのビジネスは韓国系に取って代わられ、爆買いは中国人にお株を奪われました。

また、カリフォルニアでは中国系並みに人口が多いフィリピン人も高いプレゼンスを発揮しています。フィリピン人は英語ができるということで、医療系、中でも看護師として働いている人が多いのです。

「クールジャパン」など幻想にすぎない

日本だと看護師さんは「3K」と言われ、給料はそんなに高くないのに重労働というイメージもあります。ところがアメリカのレジスタード・ナース(正看護師)の給料はカリフォルニアで平均時給56ドル(約8100円)。

そのため、夫婦2人で看護師だと世帯年収が軽く20万ドル(約3000万円)を超します。ちなみにカリフォルニアの最低賃金は2025年1月現在で16・5ドル(約2500円)です。

また、インド系も英語が堪能でIT企業に勤める人が多いため、彼らの給料は高いです。2021年のニューズウィークの発表によると、アメリカのアジア系の中で給料がトップなのはインド系です。

ではわれわれ日系人には「これ」という何か強み、特色はあるのかというと、悲しいことにないのですね。日本政府は「クールジャパン」として日本のアニメや漫画文化などを海外に押し売りしていますが、少なくとも「クールジャパン」という言葉はアメリカでは浸透していません。

またこういったコンテンツが刺さるのは一部のオタク系(ナード)ですので、なかなか「ジャパン・アズ・ナンバーワン」時代のような輝きを取り戻すには至っていません。