「まずは何でもやってみてほしい」
著書『気くばりのススメ』では人との距離感がすごく難しい時代だからこそ、人付き合いに悩まれてる人に是非読んでもらいたい本だと紹介した。
「最近は、若い人を中心に『コミュニケーションが難しい』と感じている人が多いみたいです。頭はいいんだけど会話ができないっていう人が多いんじゃないかな。それっていきなり本題に入っちゃうからダメなんじゃないかなって思うんですよね。
会話においてアイドリングって必要じゃないですか。でもいきなり会話のアイドリングをしろと言われてできるものではないので、日常のなかで日々すこしずつやっていく。地道に普段の会話を楽しむってのは大事なことだと思うんです」
どんな偉い人が相手でもコミュニケーションは会話から。「会話がないと人と仲良くなることはできないですよね」と話す。もちろん番組の撮影時などでも同じだ。
「バラエティってみんなで作るもんなんですよね。番組の司会をやってて誰かがつまらなそうにしていたら、心配になるし。自分は何の意味があって番組にきたんだろうと思われるような出演者は作りたくないですよね。俺いなくてもよかったじゃんとか。そんな思いはさせたくないので、限りある時間のなかでみんなを平等に楽しませるのが司会の役目かなと思ってます」
中山の考える「気くばり」とは日常の些細なことから生まれる。そのためにはひとまずやってみることが大事だと語った。
「たとえば、部署が変わっていやだな…と思っていても、近くの席の人と会話してみる。会話を続けていくことで何か花開くこときっとある。だからまずは何でもやってみてほしい。人間も置かれたところできっと咲けるから」
SNSやネット社会になった今だからこそ伝えたい会話の大事さ。決しておごらず「バカでいる」。最後まで前向きで明るい表情でインタビューに答えた中山。彼の立ち居振る舞いは気配りそのものだった。
取材・文/桃沢もちこ 撮影/齋藤周造