「ドライヤーなどの備品が盗まれることも…」
日本らしさを感じられる場として、多くの外国人観光客に人気のある京都府のゲストハウスに勤務して15年になる女性(30代)は悩ましそうにこう話した。
「インバウンドの影響で外国人のお客様がすごく増えてきていますね。今ではお客様の約8割が外国人の方です。だから、外国語に対応できるスタッフはいくらいても足りないくらいですよ」(ゲストハウスに勤務する女性)
利用客の約8割が外国人というのは驚きだ。いっぽうで、この十余年でゲストハウスの宿泊料金はどのように推移していったのだろうか? 前出の女性に聞いてみた。
「私が勤務し始めたころは1泊1000円くらいだったと思います。でも、最近は平日でも1泊4000円くらいします。ゴールデンウイークや夏休み、桜のシーズンなどの繁忙期だと1泊7000円くらいになる日もあります」(同前)
値段が上がることによって客層に変化はあったのだろうか? 前出の女性に聞いてみたところ、驚きの答えが返ってきた。
「客層はここ数年で悪化しているように感じます。外国人の方の中には、室内で靴を脱ぐ文化がない方も多いので、土足で客室に上がり込まれることが増えています。
以前、中国の方と台湾の方が共用スペースで喧嘩してしまったこともありました。いろんな国の宿泊客の方が増えたことによって、そうした衝突も多くなりましたね。あと、ドライヤーなどの備品が盗まれることもあって大変です……」
多様化する宿泊客を受け入れるゲストハウスにも、文化や価値観の違いから起こるトラブルに悩まされる場面も少なくないようだ。せっかくの旅行だからこそ、誰もが気持ちよく旅を楽しめるようにしたいものだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班