大きなバランスを求めるには、小さなバランスを意図的に壊すこと
それでは、こうした小さな円のバランスが壊れてしまうリスクに備えるには、どうすればよいのでしょうか。
答えは簡単で、「より大きな円のバランスにしていけばよい」のです。
たとえば、年収400万円でワークとライフがバランスしたら、それを維持するのではなく、仕事(ワーク)でより一層の努力をして年収600万円を目指します。
逆に、生活(ライフ)の円を大きくしようとしてもいいでしょう。たとえば、趣味をより充実させようとすれば、それなりにお金と時間がかかります。例を挙げると、300万円の車を買って毎週のようにあちこちにドライブする。それを実現して、車のローンを払うためにワークを頑張るというのもあり得ます。
大切なのは、バランスした均衡状態に安住することなく、ワークでもライフでもいいので、その均衡状態を自ら壊して、どちらかの円を大きくすることを考え、実行することです。
ワークライフバランスは振り子で考えることがお勧めです。バランスが取れている状態は均衡状態であり、安定しているがゆえに成長に繋がらず、長い目で見れば決して良い状態ではないのです。
したがって、振り子はワークの側に振っても、ライフの側に振ってもいいのですが、常に健全な不均衡を自ら作り出すことが大事で、それが働く個人の成長に繋がります。
ワークライフバランスを「静的」に捉えるのではなく、時間の流れを意識して「動的」に捉えることができると、両方の円を大きくすることの意味が理解できるのではないでしょうか。
ただし、ワークとライフの円は、同時に一気に大きくすることは難しいので、まずはどちらかの円を大きくすることを目指しましょう。
小さな円のバランスからワーク(=稼ぎ)を大きくする努力をして、その後にバランスさせる。それでも満足できなければ、また不均衡を作ってバランスさせる。この繰り返しです。