「怒りのない闘いってつまんなくないですか?」
昨年は東京スポーツ新聞社が制定する「プロレス大賞」で初めて女子プロレス大賞を獲得した。今春からスターダムへ本格参戦し、6月21日には念願のIWGP女子王座を奪取。
ところがスターダムのリーグ戦へ参戦した直後には、観客から大ブーイングが突き刺さり、専門誌でも「Sareeeブーイング現象を考える」と題し、業界内外で波紋を呼んだ。
もはや勝敗を超越した領域でプロレス界の中心に立っているSareeeは、インタビュー中にスターダムのリングでは「私が出ていろんな賛否両論ありましたけど」とつぶやいた。その賛否の「否」とは何かを尋ねると、「ブーイングですかね」という。
最近は収まりつつある会場でのブーイングだが、スターダムファンからの「拒否」反応を、こう打ち明けた。
「正直、試合中は闘いに集中しているのでブーイングはわからないんです。あとから『あぁブーイングされていたな』って気づくんですけど、いろんな意見が私に対してあります。ファンもレスラーもムカつくことがあると思います。だけど、これはプロレスなんです。闘いなんです。
お互いが言い合うのは当たり前だと思うし、それでヒートアップしてリングでぶつかり合うのが当然で、私はその闘いを自然にやっているだけです。ファンも選手も慣れていないんだなって感じます。“当たり前のことをやっている”私はそういう意識です。私は、いつも本気で言っているだけです」
ブーイングが起きることは、それだけSareeeがファンを「本気」にさせたことの証明でもある。今、男女の枠を飛び越えてこれほどファンの感情を揺さぶるレスラーは、Sareeeがナンバーワンだろう。これほどまでにファンの心をわしづかむ理由を自身はどう捉えているのだろうか。
「ブーイングが起きたのは、私がファンを選手をそれだけムカつかせたからだと思います。だけど、“怒り”って闘いの一番の原点だと私は思います。逆に怒りのない闘いってつまんなくないですか? 私はそう思います。私は怒りから燃え上がってくるものが一番だと思っています。
私が信じる闘いをこれからもやっていきますし、私はすべてをリングでさらけだしています。リング上でウソ偽りない闘い、発言…そのすべてを見せていきます。そこが一番ファンに響くと思う。ブーイングに転がるときもあるし、応援になるときもある。そこはわからないけど、そのすべてが私自身なんです」












