農家は売るノウハウを持たず、農協は持っている

米価高騰の原因を農協に転嫁する「農協悪玉論」が跋扈し、小泉農水相も盛んに農協改革論を唱える最近の風潮を、どう感じているのだろう。

「農協=悪なんてことは絶対にないです。新規就農者はたとえ農協に出荷しなくても無料で営農指導してもらえるんですよ。現に私がそうで、薬はこれ使った方がいいとか、本当にマメに教えてくれました。そういう若い芽を育ててきた機関を潰したら、誰がその代わりをするんですか。

手数料が高いと批判する向きもありますが、民間企業が手数料とったらもっと高くなると思いますよ。もちろん農協に卸していただけの方は、作っても作っても利益が出ないどころかマイナスの人もいたでしょうから、それを恨んでいる方もいるかもしれません。

多くの農家は売るノウハウを持たず、農協はそのノウハウを持っている。そこの手数料が高いと反発する人はいますが、それが気に食わなければ民間業者に売ってしまえばいいんです。違約金があるわけではないんですから。逆に民間業者なら違約金とりますよね。

今年3月撮影した際の岡田さん(撮影/集英社オンライン)
今年3月撮影した際の岡田さん(撮影/集英社オンライン)
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まあ、どっちの味方をするわけでもないけど、やっぱり地域の人が農協に勤めているので無下にはできないですよね。だから一部農協に出すとかね。昔から買ってくれていた個人のお客さんに値段を上げられないのと一緒で、繋がりという部分はあるんですよね。

そもそも農協は農家が出資して出来上がっている組織で、民間みたいに利益を追求しているわけではないので、必要不可欠なんです。たしかに過去には談合や癒着などあったし、腐敗している部分があるのも事実でしょう。でも、なくす必要はない。腐った部分を是正して整えればいいんです」

安易な農協悪玉論に警鐘を鳴らす岡田代表は、農協解体論にも与する小泉進次郎新農水相の資質にも危機感を訴えた。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班