「WHO脱退」主張の大規模集会にも参加
くら替えの衆院補選に落選した後も、「WHO脱退」を掲げた大規模集会に参加。握手や撮影に応じたり、派手な自転車で現れたりとサービス精神を見せていた。ただ、誰よりも観客を喜ばせるパフォーマンスができるのに、私が見てきたかぎりでは表立ってステージに立つことはなかった。
議員でなくなり、そもそも無所属で何のしがらみもないはずの須藤氏だが、告知などに主催者側が大きく名前を載せることもなかった 。ワクチンについての過激な主張で製薬会社から提訴されている立憲民主党の原口一博議員や、川田龍平議員らが平気な顔で登壇し続けて激しく主張を叫んでいたのとは対照的だ。
ワクチンには反対するが、先々を考えて表では控えめにしていた可能性もある。ここに須藤氏の打算的な性格が表れているようにも思える。
須藤氏は、高校時代から政治家を志し、そのために名前を売ることを考えて格闘技を始めたと自身のサイトでも明かしていた。政治家としての姿勢についても格闘スタイルを引き合いに出し、「引くところは引いてチャンスをうかがい、勝てると思った時にいく」のように語っていた。
そんな須藤氏にとって、勢いのある政党からの公認は絶好のチャンスだろう。最近SNSなどでは、以前と比べて突飛な発信が減っていたので、国民民主党入りの話が進んでいたとも推察できる。
公認が正式発表された日に国民民主党や須藤氏への非難が殺到すると、その日のうちに、須藤氏は自身のXに「私の考えと国民民主党の政策の一致について」と題した文を投稿。
ワクチンや原発の考え方について釈明したうえで「党として決定した事項に反する行動は取りません」とし、同党から提示された確認書にサインしたことを明かした。
確認書とは、公認発表の前日に玉木雄一郎代表が公開したもので、「政策全般について、科学的根拠と事実に基づく観点から、議論及び立案を行う」「命に関わる政策分野においてはその観点を特に重視する」などと記された書面のことだ。
玉木代表も同日に須藤氏の投稿を引用する形で署名を歓迎し、「科学的根拠と事実に基づく政策を進めます」と強調していた。
政党が候補者に誓約書のようなものを提出させることはあっても、内容と署名の有無までを公表して大々的にアピールするのは珍しい。各社の報道でも、炎上の鎮静化を図りたい思惑があったと指摘されている。