1年間の有酸素運動で、加齢による喪失を1、2年分取り戻す!?

運動が身体によいとはよくいわれていますが、これは脳にもよいのです。

最近では、ジムを併設する企業が増えました。
日本の厚生労働省、欧米の各国政府機関も、週に150分の有酸素運動を健康のために推奨しています。

厚生労働省
厚生労働省
すべての画像を見る

これは研究が進んでいる分野で、運動の脳に対する効能は主に、以下のようなものがあります。

●有酸素運動をすると、脳内の成長因子である脳由来神経栄養因子(BDNF)が増える。これにより、新しい細胞を成長させ、細胞間のつながり(シナプス)を増やす

●定期的に有酸素運動を続けていると、ストレスに対してコルチゾールの分泌がされにくくなり、記憶を司る海馬の破壊を防いでくれるようになる

●有酸素運動で脳の血流量が増えることにより、脳が活性化する。また長期にわたって運動することで、新しい血管が作られ、血液や酸素の供給量が増え長期的な活性化が望める

写真はイメージです
写真はイメージです

また、有酸素運動をすれば、薬に頼ることなく加齢による認知機能の低下や神経変性疾患をかなりの確率で予防できることが、さまざまな実験によりわかっています。

たとえば、2011年のアメリカ・ピッツバーグ大学のカーク・エリクソンの研究チームは、120人の高齢者を対象とした研究を発表しました。

それは、有酸素運動によって海馬が大きくなり、記憶力が向上したという結果でした。1年間の有酸素運動で、海馬の体積が2%増えたということ。つまり、加齢による喪失を1、2年分取り戻したということになります。