「“失踪した”とき、彩咲陽ちゃんのジャンパーも靴も家にあったんです」
彩咲陽さんは昨年12月20日、祖母らが経営する勤め先の飲食店から祖母宅に戻った後、行方がわからなくなった。
「この日の早朝に、(彩咲陽さんが)連日ストーカー行為をしていた白井容疑者が帰宅途中にもいたとのメッセージを親族に送ってるんです。直後の午前7時10分には川崎臨港警察署に電話をしていたこともわかりました」と別の親族は話す。
この電話について神奈川県警は、彩咲陽さんが顔見知りの警察官が出勤しているかどうかをたずねてきたので「不在なので8時半以降にかけてほしい」と答えた、と説明している。
そしてその2日後の12月22日、祖母宅の1階窓ガラスが割られ、窓の錠が開いていることに気づいた祖母らは警察に連絡する。
「冬なのに彩咲陽ちゃんのジャンパーも靴も家にあったんです。窓が割られていたことで、着の身着のままで拉致されたと確信しました。やったのは白井しか考えられず、家に来た川崎臨港署の生活安全課の警察官に白井を調べてほしいと訴えました」(祖母の姉)
しかし現場で警察官は「事件性はない」と言い、写真撮影も指紋採取もしなかったと家族は話す。県警は、指紋採取は今年1月7日に行なったと説明し、当日採取を行なわなかったことを認めている。
県警は、12月22日に白井容疑者から事情を聴き、自宅の様子も確認したと説明しているが、彩咲陽さんの行方を聞き出すことはできていない。
「県警は、彩咲陽さんが行方不明になった後、白井容疑者の自宅や敷地を3回調べ、任意聴取も7回行なったと強調しています。しかしストーカー規制法違反容疑で家宅捜索をした4月30日に自宅の床下から遺体が入ったバッグが見つかり、その後逮捕された白井容疑者は死体遺棄容疑を認めています。遺族は捜査を放置していたと疑っていますが、そうでないなら白井容疑者に騙された“失敗捜査”を行なったともいえます」(県警担当記者)
この“失敗”に絡み、関係者が証言した。
「警察官が任意で家の中を調べた際、部屋の一つで白井容疑者の母親が食事をしていたんです。そこに警察官が入ろうとすると白井容疑者が『ここはやめてくれ』と制止し、令状がないためそれ以上は求められなかったといいます。けれど4月30日の捜索で、遺体が入ったバッグはまさにその母親が食事中だった部屋の床下から見つかったんです」(関係者)