「鍵のダイヤル部分をハンマーのようなもので叩かれて…」
事件の舞台となったのは茨城県筑西市旭ヶ丘。筑西市は県西部に位置し、鬼怒川など一級河川が5本流れている。県内でも有数のコメどころとして有名で、見渡す限り田んぼが広がっている。筑西市で作られるコメの生産量は県内トップクラスだ。
この筑西市で「コメを盗まれた」と肩を落とすのは、市内在住の女性Aさん(70代)。4月16日未明に、玄米と精米されたコメと、合わせて155kg分のコメが「朝起きたらなくなっていた」という。盗まれたコメは家族で食べるために備蓄しており、敷地内の倉庫にある冷蔵庫に保管していた。
「一般の家庭からおコメがね、盗まれることなんて考えたこともなかった。だから冷蔵庫に鍵をかけていませんでした。数十年間、ずっと長い間農家をしてきて、(コメが)あるのが当然だった。盗まれたことに気付いたときは、あぜんとしたというか。ショックで言葉も出なかったです」
被害にあったのは、この70代女性だけではない。近隣住宅で同様の被害がほかに3件起きていた。120kgの盗難被害にあったという男性、Bさん(70代)はこう話す。
「Aさんから『コメを盗まれた』と聞いて、ウチは大丈夫なのかなと冷蔵庫を見たら、あるはずのコメ袋が消えていた。Aさんのところから盗まれて3日後の19日朝に気付いたんだ。鍵はつけていたけど、そこまで高いものではない。鍵のダイヤル部分をハンマーのようなもので叩かれて、こじ開けられていた」