30年以上続けている「ルーティン」

浮き沈みのある芸能界で芸歴36年。着実に生き抜いてきた大物芸人の一人と言える。お笑い芸人として早くに大きな挫折を味わい、“謙虚”さを学んだと話すが、日々の仕事ではどうだろうか。

バラエティ番組で「思うようにコメントができなかった」「スベってしまった」なんてうまくいかなかったとき、どんなメンタルリカバリーをしているのか?

「逆に教えてほしいですよ!(笑) もう20年以上やっている『アメトーーク!』でも、いまだに『もっといい返しができたかなぁ』と、反省することは多々あります。ただ『アメトーーク!』に関しては、毎週収録があるから多少気持ちを切り替えることができますね。

でも、収録がその日1回限りの特番のバラエティ番組なんかで、うまくいかなかったりすると『やってもうた…』と、けっこう引きずっちゃうんですよね。そういうときは、時間が経つのを待つしかないけど、僕の場合は趣味の草野球とか競馬、ゴルフに没頭して忘れてます。30年間、ずっとその繰り返しかな」

逆に仕事がうまくいったときのご褒美を聞くと「それも好きなことをすること」と答えた。

「僕にとって趣味の時間は安定剤みたいなもの。1つじゃなくて、いくつか趣味があるのもよかったのかも。趣味は多ければ多いほどいいんじゃないかなと思いますよ。いろいろやっていれば、そのうち失敗したこともきっと時間が解決してくれるからね」

また蛍原には、仕事を続けていくうえで欠かせない“あるルーティン”があるという。

「ここ1年は毎朝、必ずバナナを食べてるんですよ! 昔からお腹がメッチャ弱いんですけどね(苦笑)。いろいろネットで調べたり聞いたりして、バナナがいいと知って。朝ご飯にパンを食べるときも米を食べるときも、必ず一緒にバナナを1本食べるようにしているんです。

そうして『今日調子がいいのはバナナのおかげ!』って、自分に暗示をかけています」

にこやかに笑う蛍原は「あ! そうだ!」と、何かを思い出したかのようにカバンから、「飴ちゃん! この飴ちゃんをずっと舐めてる!」と興奮気味にバナナ柄の小さなジッパーつきの袋を取り出した。

「こののど飴を30年以上舐めています! おそらく“喉を大切に”という想いから、舞台に上がる前に舐め出したのがキッカケ。常にスーパーでストック買いしてるんですよ。これが本当のルーティンですね!」

蛍原徹さんが30年以上購入しているのど飴(撮影/佐藤靖彦)
蛍原徹さんが30年以上購入しているのど飴(撮影/佐藤靖彦)