「いつでもやめようと思ってます」
「“ぐっさん”を楽しめなくなったら、いつでもやめようと思ってます」
これは、芸歴30年を迎えた今の心境を尋ねた際に返ってきた言葉だ。
子どものころから人を笑わせるのが好きだったという山口は、営業職として会社勤めを始めるも芸能の道を目指して退職。1994年にこの世界へと飛び込んだ。
「やりたくて入ってきた仕事なんで、それを楽しめなくなったらやめようと思って続けてきましたね。
もちろんご迷惑をかけるようなことはしてはいけないですけど、もしそんな気持ちになったとしたら、『今日にでもやめる』って。
こんなこと言うと図々しいんですけど、学生時代とやってることは何にも変わってないんですよ。
小学校1年生ぐらいから、同じようなことをやり始めてるんです。
給食を食べている時に、自分が面白いことを言って、女子が牛乳を噴き出したら快感を覚えてたんですね(笑)。
誰かを笑わせるためにやってるというよりは、そんなことをやってる自分が好き! そして、みんなが笑ってくれてる空気が大好きなんです。
これだけ楽しいことなのに、楽しくないと思いながらやっていたら逆に失礼だなと。そんな人間がやる仕事じゃないと思うんですよね」
山口にとって、仕事は人生を楽しむための1つの手段だという。
「根本にあるのは、仕事も含めて山口智充の人生をどう楽しむかじゃないかな。自分の中にある“ぐっさん”という芸能人を楽しめなかったら、山口智充の人生はおもしろくなくなるんですよね。
だから、例えばヘビーな仕事があったとしても、それをどうやって楽しむかって考えます。
結果、楽しめたらその1日が楽しいってことになるし、そんな日が続いたら、振り返ったときに山口智充の人生も楽しかったって思えるかなって」
そんな芸能人の“ぐっさん”をプロデュースできるのは自分自身しかいないと語る。
「僕は “ぐっさん”が大好きなんですよ。自分で見ても楽しい人やなと (笑)。そして、そんな楽しい人でありたいなって思います。
番組のプロデューサーさんやディレクターさんみたいに、客観的に見てくれる人もいらっしゃいます。そしていろんな段取りをしてくれる吉本興業という存在もある。
でも、芸能界でどうやっていくかとか、1つ1つの現場での立ち居振る舞い方や何をしゃべるかは、全部僕にかかってるんです。だからセルフプロデュースをするんですね。
自分という畑を耕して、いかに“ぐっさん”という食材を美味しいものにしていくか。『最高です』と自信を持って現場に届けられるか。そして、どこに出すのかという判断も自分でしなきゃいけないと思うんです」