最近読んだお気に入りの本は?

──映画でもテレビドラマでも、今はSNSやネットで簡単に大勢の人の感想に触れることができますが、そういうのは見たりされますか。

チェックしますよ。自分が観客として映画を観たいときにはレビューサイトを参考にしますし、SNSでの評判を見て映画館に行くこともありますし。とにかく情報量が多いですからね。

なるべくネガティブな接し方をしないように、いいところを活用して、うまく付き合っていきたいなと思っています。私自身、表に出る活動をセーブしていた時期でも、SNSがあったことで、近況を報告したり、趣味のことを知ってもらえたりしたので。

──では最後に。雑誌でたびたび本を紹介していたり、先日はインスタグラムで『C線上のアリア』(湊かなえ)を読んでいると投稿されていましたが、本好きとして、最近お気に入りの本を教えてください。

えー、そんなこと聞いてくれるんですか。ちょっと待ってください、ケータイ持ってきます! (楽屋から戻ってきて)お待たせしました。私にしては珍しく、漫画です。大白小蟹さんの『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』という短編集です。これはすっごくおもしろかった!

ファンタジーなんですけど、日常や生活に溶け込んでいるファンタジーという感じで、急に大きな展開があるとかでもなく、淡々としながら視点や角度がちょっと変わるような、そのバランスがちょうどいいんです!

素晴らしい本なので、ぜひ読んでほしい。それで、あの、せっかくおすすめを聞いてもらえたので、もしよろしければ、逆におすすめ教えていただいてもいいですか……?

「まだまだたくさん好きな本があるんです」と興奮気味に話す
「まだまだたくさん好きな本があるんです」と興奮気味に話す
すべての画像を見る

取材・文/おぐらりゅうじ 撮影/井上たろう
ヘアメイク/八鍬麻紀 スタイリスト/岩田麻希

「東京予報 ―映画監督外⼭⽂治短編作品集―」
『名前、呼んでほしい』
2025年5月16日(金)より、シモキタ-エキマエ-シネマ『K2』を皮切りに全国順次公開
田中麗奈が感じた「不倫関係」ともまた違う大人の交流「誰しも多かれ少なかれ、その願望を抱いているのではないでしょうか」_5

『ソワレ』『茶飲友達』を手がけた外⼭⽂治監督による「東京予報―映画監督外⼭⽂治短編作品集―」のうちの1作。ほかに『はるうらら』『forget-me-not』がある。本作『名前、呼んでほしい』は、不倫関係を解消するべく最後に1⽇だけ夫婦として過ごす男⼥を描く⼤⼈のラブストーリー。

監督・脚本・製作:外山文治
出演:田中麗奈、遠藤雄弥、関幸治、太宰美緒