富裕層は「カネ→カラダ→ココロ」の 順番で整える

「ストレスフルな毎日、メンタルを安定させたい」「将来への漠然とした不安を払拭したい」――「心」の問題が生じたときに、いきなり薬やカウンセリング、といった直接的な対処に取り掛かるのではなく、まずは「体」を先に整えてみる。これは、多くの富裕層も実践している方法です。

ゴールドマン・サックス時代、入社してから何度もいわれた言葉は「プライオリティ(優先順位)をつける」「期待値コントロールをする」の2つでした。

達成したい目標がある場合、「まず何をどうするか。次に何をどうするか」という優先順位を的確につけていくことが、有限な時間の使い方として大切です。

心の問題を引き起こす本質的な原因は、すぐに解決できないものも多いので、いきなり心の問題に取り組む前に、まずは体の健康を整えて万全な状態になってから心の問題に取り組むことで解決できる場合もあると考えています。「体の健康は心の健康」ということです。

心の健康をどうケアすればいいのか
心の健康をどうケアすればいいのか

メンタルヘルスの3本柱は、「睡眠」「運動」「食生活」といわれています。ここでは「運動」についてお伝えします。

会社員時代、ストレスや激務により心身ともにボロボロになった時期がありました。そのときにはじめたのが、運動の習慣化です。

「疲れて何もしたくない」というなかで、さらに疲れることをするのか、と思いますが「運動する」→「血流が促進される」→「細胞が活性化される」→「体も健やかになる」→「さらに自律神経も整う」という、一時的な肉体疲労を凌駕するメリットがあります。

運動を習慣化したことでもたらされた副産物もありました。僕は最初、ひとりでランニングをはじめたのですが、しばらくして会社のアスリートコミュニティに参加することにしました。そこでは仕事の話は一切せず、大会の話やトレーニングの話、ギアの情報交換しかしません。

利害関係のない世界で仲間ができたことは、心身を回復させることに大いに役立ったと思っています。