先に人脈を作ろうとするのは一番危ない
経験値というのは定量化しづらいので、軽んじられがちです。ですが、少額でも投資をしたことがある人と、そうでない人の経験値の差は歴然としています。
これはサラリーマンが、昇給の幅や残業代の有無に不平不満を漏らす状況にも当てはまります。昇給も残業代もなくても、それが自分の知識や経験、成長になる仕事であれば、残業してでもやる価値があります。
そうやって、やったことのない仕事に積極的に手を挙げたり、仕事を選んでいったりするマインドが重要です。
経験値を積みはじめたら、投資をはじめたことや投資で経験したことをまわりの人に話してみたり、SNSで発信したりするのも重要です。
なぜなら、同じように投資に興味のある人たちが、おのずと集まってくるからです。同じ趣味を介して仲間が増えていくように、投資をしている人同士のコミュニティが自然発生します。
すると、「この前買った株は先日の新技術の発表が市場にうけて大幅に株価があがったよ」「この前、こんな失敗をしたけれどすぐ損切りして他に切り替えて大事にいたらなかったよ」「最近海外でトレンドになっている新しいサービスを日本に展開する会社が立ち上がったらしい」などと投資にまつわる情報交換をする場ができるもの。
やがて、投資のヒントを得られるような精度の高い情報をもたらしてくれる人とつながることができれば、それがいわゆる人脈です。
冒頭で、「お金→経験値→人脈」の順番に必要になると書きましたが、この3要素をサイクルとして「お金→経験値→人脈→お金→経験値→人脈……」と循環させていかれればうまくいっている証拠。小さな一歩からのスタートだとしても、富裕層に続いているサイクルの波に乗れればお金は増幅していくでしょう。
逆に、これを反対の順番でおこなってしまうのが一番危ないパターンです。自己資金も経験値もないのに、おいしい話を紹介してくれそうな宣伝文句にかかり、いきなり投資セミナーなどで人脈づくりをしようとして、詐欺話のようなものにかかってしまう。
経験値がないので、それが詐欺かどうかも見抜くことができず、また自己資金もないので、借金をしたり、手を付けてはいけないお金を投じたりしてしまいます。基本中の基本ですが、上記のサイクルの順番でおこないましょう。
文/田中渓 写真/Shutterstock













