「あなたは誰だ?」 なぜ経営コンサルタント会社が… 

学校を統合したり廃止したりする「統廃合」に、民間の経営コンサルタントが主導的な立場で関わっている。その一例が、東京都清瀬市である。

清瀬市が全市レベルの「公共施設再編計画」を策定したのは2019年5月のことで、それに基づく学校の再編についての計画もつくられた。2020年になって市民への説明会も行なわれたが、そこに出席した元教員の清瀬市民が、そのときの様子を振り返る。

「説明は教育委員会の職員がやるとばかりおもっていたら、まったく知らない人が説明しようとしたのです。そこで私を含めた参加者から、『あなたは誰だ?』という声が挙がりました。

それに対しては、大手の経営コンサルタント会社の社員だとの返答でした。参加者からは『市の計画を経営コンサルタント会社の人間が説明するのはおかしい』という批判の声も挙がりました」

ひまわり畑が有名な清瀬市
ひまわり畑が有名な清瀬市
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じつは学校の統廃合だけでなく、その基になる「公共施設再編計画」を主導的な立場でつくっていたのも、この経営コンサルタント会社だ。

つまり清瀬市は再編計画を民間の経営コンサルタント会社に丸投げしていたことになる。そこで、学校の再編計画を市民に説明する場でも当然のように説明しようとしたわけだ。

しかしこの説明会の対応で市民からの反発を買ってしまい、以降、このコンサルタント会社の社員が前面に立つことはなくなったという。とはいえ市の計画から手を引いたわけではなく、目立たないようにしているだけとの声もある。