61歳でカップヌードルを世界に送り出した日清の創業者は47歳で全財産を失っていた…「なあに、なくしたのは財産だけじゃないか」の精神から学ぶこと
1958年に世界で初めてインスタントラーメンを開発したとされる、日清の創業者・安藤百福。しかし、その大成功の裏には思いがけない転落人生があった。そしてその転落から、安藤はいかにして立ち上がったのか。
『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、一部を抜粋・再構成してお届けする。
『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』#1
ついにカップラーメンの開発に成功
1971年、ついに新商品「カップヌードル」が誕生。「食器を兼ねるカップ麺」はたちまち話題を呼び、1日で数万食が完売しました。
アメリカに工場をつくると、大量に流通。その後、ブラジル、中国、インド、オランダ、インドネシア、ドイツ、タイ、フィリピン、カナダと広がっていきました。
カップ麺はまさしく「日本発の世界食」として、ワールドワイドに普及することになったのです。
カップラーメンの開発に成功したのは、百福が61歳のときのこと。つまり、百福の50代は、海外進出のための挑戦にほぼ注がれたと言ってよいでしょう。
カップヌードル自販機(写真/Shutterstock)
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グローバル化によって海外流通のハードルが下がった今こそ、百福の生き方から学ぶことは多くあります。
文/真山知幸
『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
真山知幸 (著)
2025/3/21
1,870円(税込)
336ページ
ISBN: 978-4799331330
渋沢栄一、マルクス、安藤百福、ファーブル、……
あの偉人はそのとき、
どんな転機を迎えたのか
「遅咲き」の人生には共通点があった!
古今東西 人生の先輩に学ぶ
折り返し地点を越えて挑戦する秘訣
後世で「偉人」と称された人のなかには、人生の後半で成功した「遅咲き」の人が少なくありません。
「遅咲き」とは単に「年齢を重ねたのちに成功した」ということだけではなく、「学生時代にはまるで期待されていなかったのに、世界を変えてしまった」ような人物のことも含まれるでしょう。本書で紹介したようなアインシュタイン、エジソン、山中伸弥さんは、まさにそのタイプの「遅咲き偉人」です。
本書は、いわゆる「大器晩成型」の偉人たちが、どのように中年期を過ごしたのかに注目しました。今まさに、多くの人が中年期に直面する「ミッドライフ・クライシス(中年期危機)」を、偉人たちはどう乗り越えたのでしょうか?(「はじめに」より)