「まじめな店長さんほど苦しむんです」

2024年1月時点で全国に約5万6500店舗あるコンビニエンスストア(日本ソフト販売株式会社調べ)。完全に飽和状態にあるこの業界で、コンビニ店長の過労死が明らかになった。

亡くなった男性(当時38歳)は、もともと「セブン-イレブン」でアルバイトをしており、その店舗オーナーが出店した別店舗の“雇われ店長”として働いていた。

そして約1年4ヶ月間ほぼ無休で働き、2022年7月に「シフトをうめるためにいくら働いても、自分がきついだけ」「ごめんなさい」などの遺書を残し自死した。男性には妻と3人の子どももいた。

残された妻の訴えで労働基準監督署が調査を開始し、約2年後の2024年11月に「労働災害」と認定されたのだ。

セブン-イレブンの看板 ※写真は記事内の店舗と関係はありません(写真/Shutterstock)
セブン-イレブンの看板 ※写真は記事内の店舗と関係はありません(写真/Shutterstock)
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都内の某コンビニオーナー店長にこの件について取材をしたい旨を伝えると、匿名を条件に重い口を開いた。

「一部店舗では例外はありますが、コンビニは基本、どれだけ人手不足であろうと24時間営業です。だから店長は、シフトをバイトで埋められなければ自分が店に立つしかなくなる。

中にはヤケになった店長が深夜帯に『休止中』などの張り紙を扉に貼って店に入れないようにしてバックヤードで寝るとか、お客さんが入ってきてもレジに対応しないとか、そういうケースも聞きます。

しかし、そんなことしようものなら、今ではすぐSNSでさらされますからね。今回の大分の店長さんは自分がやるしかないと体と心に鞭を打ち、店に立ち続けたのだろうと想像します。まじめな店長さんほど苦しむんです」