「遺体を隠したりとか体力的に難しかったんかな」
知人はこう続ける。
「今の借家にお母さんと息子さんとで住み始めた当初、浩一郎さんは工場のようなとこで働いとって、そこの機械で手の指を切断してしまったんや。10年以上前だったかな。手の指に包帯を巻いて法要に来てたから事情聞いたらそう言うとった。その後に会ったときには『足の指を切れたところにつけたんや』と傷跡を見せてくれたわ」
不慮の事故にとどまらず、浩一郎容疑者は心臓病も患い、最近は「ヨボヨボの年寄り」といった風情だったという。
「5年以上前に心臓を悪くして手術して、それこそ外で何度か倒れて救急車でも運ばれてるわ。ふだん移動に使ってた自転車を漕ぐのもヨロヨロしんどそうにしてはった。それを考えると遺体を隠したりとか体力的に難しかったんかなって思うわ。
それにな、5~6年前はお母さんが認知症を患って、最後は施設で亡くなったんだけど、それも浩一郎さんには大変だったと思うわ。お母さんが徘徊とかするからと思うけど、玄関にはずっと鍵をかけて、浩一郎さんも離れから出入りするようにしとったしな」
知人が浩一郎容疑者と最後に顔を合わせたのは昨年の秋のことだったという。
「お彼岸のころやったけど、墓参りで顔合わせてな。『体大丈夫なんか?』と声をかけると『まぁなんとかやってるわ』とふだん通りだった。浩一郎さんはちょくちょく墓参りにきとって、その時もきれいな花がお供えされとったわ。
事件のことを知ったときはショックだったけど、さっきも言ったけど浩一郎さんの体はボロボロだったんや。何かトラブルがあったとしても、あの人が自分の力でどうこうすることはできんかったと思う」
深まる謎を解くカギの遺体は、まだ凍ったままなのか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班