500円のソフトクリームの支払いをカードで『分割払いでお願いします』
♯4で取材班に証言してくれた高野容疑者の知人はこう続けた。
「健さんは、最上さんの『お金は返す』というメッセージを最初は信じていたと思います。でも3年近く経っても返ってこないので、弁護士に依頼したり、栃木警察署に相談したり色々やっていましたが、返ってきたのは最初に貸した3万円だけだと話していました。だから実際に、お金には相当困っていたと思います。
彼と食事した際も『最上さんのせいで気が滅入っておかしくなりそうだ』と打ち明けてくれました。2023年10月に私の自宅の最寄り駅まで来てくれたときには、『申し訳ないけどお金がないから帰りの電車賃を貸してほしい』と頼まれたほど、彼は金銭的に困窮していました」
その当日、2人はカフェに赴いたのだが、支払いを済ませた知人に高野容疑者は『ていうか俺200円しか使ってない』と気まずそうにしていたという。知人は当時をこう振り返った。
「自分も健さんがお金に困っているのは知っていたので『貸した3000円は返さなくてもいいから』と言いました。この日の話題は『お金を返さないのに彼女はSNSで華やかな生活を自慢している』とか『少しでもお金を返してくれたらラクになるのにな』といった最上さんに対する不満でした。
去年の11月にも健さんに会ったのですが、その時はご馳走してくれました。私が貸したお金を返してくれるというので、それならご飯を食べようということになり、小料理屋みたいなところに行きました。健さんはここでは現金で支払っていましたが、別の場所で私のためにソフトクリームを買ってくれた時にはびっくりしました」
知人が驚いたのも無理はない。高野容疑者は500円のソフトクリームの支払いをクレジットカードで『分割払いでお願いします』と会計したからだ。
「考えてみれば給料は16万円と言っていたし、そこから家賃や携帯代に加えて借金まで払っていたらほとんどお金なんて残らなかったと思います。普段の食事も写メで送ってきてくれていましたが、自炊でごはんに味噌汁とサラダ、といった具合に質素だったし、月に1度給料が出たら食べるマックが自分へのご褒美と言っていました。
その一方で、最上さんは貸したお金も返してくれない。さらに彼氏と一緒にタワマンに住み、ポーカーに興じるような姿をSNSや配信で公開していたのですから、それを見た健さんはたまらない気持ちになったんだと思います」