うつ症状や不安障害の子どもが増加
自殺の動機として「学校問題」に次ぐ「健康問題」についても聞いた。
「最近は小中学生の間でもうつ症状や不安障害を発症しているケースが多く見受けられます。心身の不調により、長期的に学校を休むことになったり、部活動を続けられなくなったりして、『自分はもうダメだ』と自責の念に囚われやすくなります」
また「家庭問題」についても悩んでいる子どもは多く、親の離婚や家庭内不和、経済的困難などが理由として多く挙げられたという。
「家庭問題は学校でも相談しにくいと感じる子も多いです。学校でも家庭でもなく安心して話せる『第三の居場所』を増やすことが大切だと思います」
さらに、こども家庭庁によると、「自殺した子どもの多くが過去に自殺未遂の経験がある」(『令和6年版自殺対策白書』)というが、そのような子どもに対してはどのような支援が求められるのか。
「自殺未遂経験のある子どもは再度危機に陥る可能性が高く、早期の介入が鍵となります。周囲の大人が『話せることがあったら教えてね』と声をかけるだけでも助けを求めるきっかけになります。
また『今日はご飯が食べられたね』など小さな成功を一緒に喜び、安心を増やしていくことも大切になってきます。必要に応じて医療機関や専門の相談窓口につなぎながら、学校や地域の支援体制の強化が求められます」