異変に気付くためのサイン

 子どもが追い詰められ、自ら命を絶つ選択をしてしまう前に、その異変に気付くサインはあると石井氏は話す。

行動面では、

・突然、学校に行きたがらなくなる
・身の回りの整理を始める(大切なものを人にあげる)
・SNSで「消えたい」「もう疲れた」などの投稿をする

感情面では、

・急に元気がなくなる、または逆にハイテンションになる
・以前楽しんでいたことに興味を示さなくなる


などの言動が見受けられた際には、注意が必要だという。

「こうしたサインを見つけたときは、『最近どう?』と声をかけることが大切です。特別な言葉をかける必要はなく、『あなたのことを気にかけているよ』と伝えるだけで、救われる子どもはたくさんいます。

すべての悩みを解決できなくても『話を聞くよ』と寄り添うだけで、子どもは『一人じゃない』と感じることができます。周囲の大人の小さな一歩が、子どもたちの未来を守ることにつながります」

子どもたちにとって生活環境が大きく変わる年度初めの4月。小さな命を守るために一人一人ができることを考えていきたい。

〇いのちの電話 ℡0570・783・556(午前10時~午後10時)、℡0120・783・556(午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)

〇こころの健康相談統一ダイヤル ℡0570・064・556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)

一人で思い悩む小学生(写真はイメージです)
一人で思い悩む小学生(写真はイメージです)
すべての画像を見る

取材・文/集英社オンライン編集部