他の部署からは「係の名前で笑われ…」

──先ほどの子どもたちを巻き込むアイデアなど、“空想”はどう生まれるのでしょうか。

榎本真希氏(以下、榎本) 子どものワークショップについては、空想係2名を含む企画課でアイデアを出し合いました。

椎名 企画課の職員がひと部屋に集まって、付箋に書き出してみたりしながらアイデア出しをしています。いわゆるブレスト(ブレインストーミング)的なよくある手法なので、やっていることは民間と同じだと思います。地道にアイデアを出し合うので、近道はないんだなとも感じますね。

ふだん仕事を行なうデスク。フリーアドレスだという(撮影/集英社オンライン)
ふだん仕事を行なうデスク。フリーアドレスだという(撮影/集英社オンライン)

──実際に区民からはどんな反響がありますか? ネット上では厳しい意見が散見されましたが……。

築山 
たしかに、ネット上では厳しい意見を目にしましたが、実際に私たちに寄せられた声にはそうしたものはまったくありませんでした。お電話でも、むしろ興味を持っていただく区民の方が多くて。

他の自治体からは、空想や2100年への取り組みを参考にしたいと、九州から視察に来ていただいたところもありました。

──そもそも、空想係というネーミングはどのように生まれたのでしょう?

椎名
 組織なので特定の名付け親がいるわけではないのですが、1番の理由はインパクトですね。あまり埋没した名前だと何をしているのかわかりづらいですし、「空想係」だと皆さんに興味を持っていただけるかなと。実際に反響もありましたから。

左の榎本氏は「係の名前で笑われます」と照れ笑いを浮かべた(撮影/集英社オンライン編集部)
左の榎本氏は「係の名前で笑われます」と照れ笑いを浮かべた(撮影/集英社オンライン編集部)
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 ──他の部署からの評判はいかがですか?

榎本
 係の新設時は、係の名前で笑われ、「実際に何やってるの?」とよく聞かれました。1年間空想係に従事させていただき、部署間の調整や実際に顔を合わせての説明を重ねるうちに、認知が進んできたと実感しています。

──最後に、今後の課題など、感じたことがあれば教えてください。

椎名
 江戸川区には、正規職員に業務委託などを足すと2万人近くの職員がいます。そのみんなの頭で考えたことのフィードバックを、空想係がしていかないといけないと思います。

たとえば、空想係だけで何か考えても、プロの集団から見ると「それは違うんじゃないの」ということってあると思うんですよ。

なので、みんなで考えて「こういうやり方もありますよね」と、区をよりよくするアイデアを産み出していく、その流れを作る役目も担っているのかなと思います。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班