新宿区歌舞伎町のある通りで、ビルの階段下に積まれているゴミ袋に、灰色のネズミが群がり、争うようにゴミを漁っている――。
この14秒ほどの動画がSNSで拡散されたのは、今年5月のこと。新宿区保健所衛生課の担当者によると、こういった”歌舞伎町でのネズミ動画”がネット上で出回ったことで、区民のみならず、全国からネズミの苦情が相次ぐようになったという。

歌舞伎町(撮影/集英社オンライン)
歌舞伎町(撮影/集英社オンライン)
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「ネズミが群がっている様子や、わざとコンビニ弁当をあげる動画がSNSで話題になった影響で、今まではネズミを見かけたという当事者の苦情や相談だけだったのが、動画をご覧になられた方から全国的に苦情がくるようになりました。私たちの部署だけでなく、ゴミに関する部署や広報などにもそういった心配の声が届くようになったのと、元からゴミ捨てに関しての相談もあったため、重点的に対策を行なうことにしました」

対象地域は、歌舞伎町1丁目と2丁目の繁華街エリア。まずは委託業者が不適切なゴミ出しをしている場所や巣穴を調査して、とくにひどい場所に関しては「殺そ剤」を撒いたり、「ゴミの対策」を強化していくという。

「歌舞伎町に生息するドブネズミが『どんな菌をどれだけ持っているか』までは個体差もあるので解明されていませんが、糞尿や死骸から感染症のリスクも考えられます。まだ発症の報告などはありませんが、『レプトスピラ』という感染症などが危険視されていて、これに感染すると急性の熱が出て、悪化すると腎臓障害にもなりかねません」 (同上)

新宿区役所(撮影/集英社オンライン)
新宿区役所(撮影/集英社オンライン)

新宿区は11月ごろの調査を目指し、今月21日に行なわれる区議会に、関連経費約1229万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を提出するという。
一連の発表に、”歌舞伎町の住民たち”はなにを思うのか――。