FIRE後に何がしたいか
注意点の最後は、アーリーリタイア後に何がしたいか整理すること。「言われなくても分かっている」と思うでしょうが、FIREがブームになっているアメリカでも一度リタイアした人が、何もやることがないとまた働き始めるなんてことはしばしばあることです。
リタイアして得られるのは、有り余る自由な時間です。多くの人は子どもの頃から学校に通い、仕事をして、一日の大半を過ごしてきたわけです。
その時間が完全に自由になったとして、10年、20年単位でやりたいことが何もなければ、生活の張りは失われ「こんなはずではなかった」と思うかもしれません。
一日何時間かけても飽きない趣味があるのか、仕事での人間関係がなくなり誰かと接する時間が減っても問題はないか(他に話し相手はいるか)、従事したいボランティア活動などはあるかといった点は、リタイアしてから考えるのではなく、リタイア前から準備しておきましょう。
仮に、今の仕事内容は好きだが、人間関係や拘束時間が嫌で仕事を辞めたいのだとしたら、転職することで解決する可能性はあります。お金に余裕がある上での労働は、義務ではなく余暇のようなものです。好きな仕事だけ選り好みをしても、まったく問題ないのです。
とはいえ、フリーランスならまだしも、会社勤めの人であれば、一度仕事を辞めてしまうと同じ仕事に再度復帰できるかは不透明です。
将来の収支予測は万全か、パートナーとはしっかり合意形成ができているか、仕事の代わりになる楽しみはあるか(仕事を続ける選択肢はないのか)をあらかじめ点検しておくと、心置きなくリタイア後の人生を楽しめるはずです。
写真/shutterstock
※おことわり
この記事で紹介している社会制度・金融商品は、書籍『ふつうの会社員が投資の勉強をしてみたら資産が2億円になった話』が執筆された時点のものです。最新のものではない可能性があることにご注意ください。特に、税制・法律は改正されるものですし、書籍の執筆時点で施行されていない法律・制度は反映していません。必要に応じて、ファイナンシャルプランナー・税理士・弁護士等の専門家に相談することも検討してください。
また、投資のノウハウは、投資をする際の参考になるようにできるだけ丁寧に説明していますが、投資の勧誘や推奨をしているわけではありません。「投資は自己責任」と言われるように、最終的な判断は自身で行うものです。なお、本記事でお勧めしている金融機関・金融商品に関連して、著者が一切の利害関係を有していない(金銭的報酬を受けていない)ことは表明しておきます。













