うなぎも「大きな問屋さんが買い占めちゃう」
今夏のお盆以降くらいには、今獲れているシラスウナギは出荷されるというが、その時期には市場価格に変化が出てくるのだろうか。
「うーん、正直言うと、あまり変わらないと思います。うなぎは7、8年前頃に一気に値上がりして、ここ数年も緩やかに値上がりを続けています。
養殖の育ち次第になりますが、もしたくさん出荷されても値上げせず、去年と変わらない価格で出せるというくらいじゃないですかね。今までも、何度か『今年は値段が下がるんじゃないか?』と言われたことはありましたが、結局変わることはありませんでしたから」(同・販売員)
さらに都内の老舗うなぎ料理店に話を聞いてみたが、ここでも「下がることはないだろう」との見解だった。
「シラスウナギがたくさん獲れているというニュースは確かに見るね。でも『ここまで入ってきたらいいね』という感じだよ。うなぎはまず、大きな問屋さんが買い占めちゃうから。たくさん獲れても、そこからなかなか出さなくなっちゃう。いろいろあるんですよ」(老舗うなぎ屋・亭主)
うなぎにも大きな組織の買い占めがあるとは。今年大きな話題になっている“令和の米騒動”を思わせる。
「私らみたいな小さい店はもう黙って問屋さんの言いなりですよ。馴染みもあるからそう簡単に問屋さんを変えることもできないし、第一、それで仕入れるうなぎの鮮度が悪くなったら元も子もない。
店では必ず生きたうなぎを毎日仕入れていて、もしあがっていたら(死んでいたら)『ちょっとどうなってんの!』ってクレームの電話してるしね。そういう事情もあるから、問屋さんは簡単には変えられないのよ」(同・亭主)
では、うなぎがたくさん獲れた場合は問屋が儲かるのか? と聞くと、意外とそうでもないらしい。