集中力・フロー状態となり、擬似体験も
働く前の、あの本にのめり込んでいた感覚を取り戻してくれます。もちろん、いままでそのような本にのめり込む経験がなくとも、大丈夫。本を読むことが楽しいと思えるようになる読書法なのです。
没入読書によって得られる7つのメリットのうち3つをご紹介しましょう。
(1)集中力・フロー状態
没入読書は、集中力やフローと呼ばれる意識状態を身につけることができます。
集中力やフロー状態を身につけることは、これからの時代を生き抜くために必須のもの。2020年代からAIに関するイノベーションが急速に進み、ChatGPTやGemini、Claude(クロード)といった生成AIが誕生し、私たちの生活の流れも変わってきています。これからの10年でこれまでの100年分ともいわれる技術変化に対応していくのは本当に難しいことです。
そうした中、ピーター・ディアマンディスは『2030年 すべてが「加速」する世界に備えよ』で、技術変化に対応する唯一の方法が、「常に、そして継続的に学びつづける」ことだと結論づけています。
そして、学びには心理的なものと、物理的なものの2つの核となる要素があり、心理面ではフロー状態に入る方法を身につける重要性について述べています。
フロー状態では、脳の基本的な情報処理能力がすべて強化されるので、思考のスピードを高め、スケールを広げられるといいます。そして、想像力や生産性、学習能力、協業の能力を強化することで、パフォーマンスを大幅に高め、変化に対応できる
としています。
ちなみに、もうひとつの物理的な要素とは、物理的に存在するテクノロジーに関する学びとしています。ChatGPTなどのテクノロジー分野の先端がどうなっていくのかを学ぶことが重要なのです。
平たくいえば、精神的なものは「集中力」、技術的なものは「スキル」と言い換えることができるでしょう。
(2)疑似体験・エンタメ
本は、「まだ見ぬ世界を体験できる」というエンタメを提供してくれます。
特に没入読書では、深くその本の世界に入っていくことができます。
「人間とサルとの違い、それは、人間は書物を通じて、人の一生を数時間で疑似体験できる。だから、本を読め。生涯、勉強しつづけろ」
これは、GMOインターネットグループ代表の熊谷正寿氏の父親の教えです。