身内でない人間は「打算的に見てしまう」
身内の内側と外側の境界線が強くなり、人を見る目も変わっていったそうだ。
「冷たいように思われるかもしれませんが、身内でない人間と一緒に食事をしていても『この時間は就活に有利になるのかな?』とか頭の片隅で考えてしまいます。効率が悪いと感じると、イラついてしまう。東大生っぽいですよね(笑)。
もちろん、身内に対してはそんなことは考えません。先日、姉や妹たちと雪山を旅行して、4人でバレンタインのチョコを交換しました。こういう家族との時間が一番好きですね」
神谷さんには、港区女子についての発言をめぐる炎上や、グラビアを掲載して「東大生がケツ出してるんじゃねえ」という誹謗中傷を受けた経験がある。この身内との時間が、その助けになってくれたという。
「何があっても身内は味方だから、炎上も誹謗中傷も怖くありません。むしろ知名度が上がるので、利用できているな、と前向きに考えています。そういう誹謗中傷をする人たちに対しては、『もっと自分の人生に集中しなよ!』としか思わない(笑)。
一方で、家族から少しでも何か言われたら、すごく傷つくでしょうね。もし姉妹の誰かから『あの発言はどうかと思うよ』と言われたらすぐに削除するし、『もう表に出るのやめて』と言われたら、本当にそうします」
神谷さんが身内を“超大切”にすることは、言葉だけでなく行動にも現れている。一型糖尿病を発症した四女・さささんのために、低糖質スイーツの会社を起業したという。
それがきっかけとなって、健康や経営に興味を持ち、2025年9月からはパリのビジネススクール「HEC」に進学予定だ。
──不特定多数の誘惑に負けず、自分にとっての“超大切”に向き合えているのか。神谷さんの話は、私たちに問いかけているように感じた。
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取材・文/綾部まと