中国では、子育てに大金を使うのが当たり前
多くの中国人が、そこまでして日本での子育てにこだわる理由とは何なのだろうか。
前出のAさんの娘が通うクラスでも、約半数の園児が外国籍であり、中でも中国系の子どもが圧倒的に多いという。文京区で子育てをする中国人が急増している理由について、Aさんはこう語る。
「一人っ子政策以降、中国では子育てに大金を使うのが当たり前という風潮になりました。塾や学校、持たせるブランド品に至るまで、親同士が常に競い合い、子どもたちも幼い頃から勉強やスポーツなどあらゆる面で競争を強いられるのが当たり前。
こうした背景もあり、それに疲弊した中国人が平穏を求めて日本へ移住するケースが増えているのです」(Aさん)
中国の大学受験者数は年々増加しており、現在、日本の約20倍にのぼると言われている。そのため、近年では「日本の受験は厳しくない」と考える中国人も多いという。Aさんは自身の大学受験生時代を振り返り、こう続けた。
「睡眠時間を削って1日15時間以上勉強するのが普通でした。また、親や先生からのプレッシャーが原因で、うつや摂食障害になる同級生もいました。『自分の子どもには同じ目に遭ってほしくない』という思いが強く、日本で子育てすることを選びました」(Aさん)